カスタマーサクセスとは?接客経験を活かせる仕事内容・働き方・向いている人を解説

接客の仕事は好き。
お客様と話したり、相談に乗ったり、自分の提案で喜んでもらえたりすることには、やりがいを感じている。でも、働き続けるうちに、「この先もずっと、この働き方を続けるのかな?」と考えたことはありませんか?

シフト勤務や土日・祝日の出勤、遅番、店舗への出勤。今は問題なくても、これから生活が変わったときのことを考えると、少し不安になることもあるかもしれません。だからといって、人と関わらない仕事に変えたいわけでもない。

そんなときは、「接客を続けるか、辞めるか」ではなく、「接客の何が好きなんだろう?」と考えてみると、仕事の選択肢が少し広がります。その選択肢の一つが、今回紹介する カスタマーサクセス です。名前だけでは分かりにくい仕事ですが、接客で培ってきた経験と重なる部分があります。

この記事では、カスタマーサクセスの仕事内容だけでなく、なぜ今この仕事が企業で重要になっているのか、接客経験の何を活かせる可能性があるのか まで見ていきます。

接客の「好き」と、今の「働き方」は分けて考えていい

転職を考えるとき、「今の仕事を続ける」か「まったく違う仕事へ転職する」かの二択になってしまうことがあります。でも、今の仕事を丸ごと変える必要はありません。接客で感じてきたやりがいは残しながら、休日や勤務時間、働く場所など、これから変えたい部分だけを見直すこともできます。

大切なのは、「今の仕事の何を残して、何を変えたいのか」を分けて考えることです。

表を見て「残したい」に当てはまるものが多かった人は、接客という職種そのものより、人との関わりから得られるやりがいを大切にしているのかもしれません。そのやりがいは、接客以外の仕事でも得られる可能性があります。

その接客経験、実はいろいろな仕事に持っていける

履歴書では、「販売スタッフ」「店舗スタッフ」「接客担当」など、一つの職種名で表されるかもしれません。でも、次の仕事へ持っていけるのは、職種名だけではありません。

実際にやってきたことを一つずつ分解すると、「話を聞く」「提案する」「説明する」「問題を解決する」「関係を築く」など、別の仕事でも活かせる経験が見えてきます。「接客経験があります」で止めず、その中身を見ることが大切です。

職種を持ち運ぶのではなく、経験を持ち運ぶ。そう考えると、「接客を辞めたらゼロからスタート」ではなくなります。では、その経験をどんな仕事に持っていけるのでしょうか。その一つが、カスタマーサクセスです。

営業が「契約」を取ったあとにも、仕事は続いている

カスタマーサクセスを理解するには、まず「契約したあと」に注目すると分かりやすくなります。たとえば、飲食店が予約管理サービスを導入するとします。

営業担当がお店の困りごとを聞き、サービスを提案する。「それなら導入してみよう」となれば契約です。でも、お店が本当に求めているのは、契約することではありません。サービスを使って、「予約管理が楽になった」「電話対応が減った」といった変化が起きて、初めて「導入してよかった」となります。

その契約したあとの実現を支える代表的な仕事が、カスタマーサクセスです。

企業によって担当範囲は異なりますが、シンプルに表現すると、
営業→「このサービスを使ってみませんか?」
カスタマーサクセス→「このサービスを使って、やりたかったことを実現しましょう」
という違いがあります。

契約はゴールではなく、お客様との関係のスタート。ここが、カスタマーサクセスを理解する大きなポイントです。

カスタマーサクセスって、結局どんな仕事?

「カスタマーサクセス」という名前自体、初めて聞くと少し分かりにくいですよね。Customer(カスタマー)は「お客様」、Success(サクセス)は「成功」という意味です。ただ、「お客様を成功させる仕事」と考えると少し抽象的です。

ここでは、「お客様がサービスを使って、やりたかったことを実現できるように支える仕事」と考えると分かりやすいでしょう。

具体的には、
・サービスを使い始めるための支援
・使い方や活用方法の案内
・利用状況の確認
・困っていることのヒアリング
・より活用してもらうための提案
などを行います。

ただし、会社やサービスによって、カスタマーサクセスが担当する範囲は異なります。

なぜ今、「契約したあと」が大切なの?

企業向けのITサービスなどには、一度販売して終わりではなく、月額・年額などで継続して利用してもらうサービスがあります。こうしたサービスでは、契約してもらうだけでは十分ではありません。

契約しても、
「使い方が分からない」
「社内で使われない」
「期待していた成果につながらない」
となれば、利用をやめてしまう可能性があります。

だから企業にとっては、新しいお客様に契約してもらうことだけでなく、契約したお客様に活用してもらい、価値を感じてもらうことも重要になります。

カスタマーサクセスは、単なる「問い合わせ対応」ではありません。お客様にサービスを活用してもらい、成果につなげる。その結果として、継続利用や企業との長期的な関係にもつながっていきます。特に継続利用型のサービスでは、「契約したあと」もビジネスの重要な工程なのです。

接客で感じていた「やりがい」も、形を変えて続けられるかもしれない

接客の仕事をしていて、
「ありがとう」と言ってもらえた。
自分がおすすめした商品を喜んでもらえた。
困っていた人の役に立てた。
また自分を頼って来店してもらえた。
そんな経験にやりがいを感じていた人もいると思います。

カスタマーサクセスも、お客様の話を聞き、困っていることを理解し、どうすればより良く使えるのかを一緒に考える仕事です。さらに、「使えるようになった」「仕事が楽になった」「課題を解決できた」といったその後の変化まで関わることがあります。もちろん、接客とカスタマーサクセスは同じ仕事ではありません。

でも、
人と関わる。
相手の話を聞く。
役に立つ方法を考える。
相手の変化を見届ける。

そんなところに仕事のやりがいを感じる人なら、共通点を見つけられるかもしれません。

「人と関わる」は残して、働き方を変えられる可能性もある

接客・販売では、お客様がいる店舗や施設への出勤が必要になることが多くあります。一方、カスタマーサクセスはオンラインでお客様とやり取りする仕事もあり、企業によっては土日祝休み、フレックスタイム、リモートワークなどを取り入れている求人もあります。

「人と関わるのが好き」を手放さなくても、「働く場所」まで同じである必要はありません。

将来、生活が変化したときのことも含めて、働き方の選択肢を広げられる可能性があります。ただし、これはカスタマーサクセスなら必ず実現できる働き方ではありません。出社が必要な会社もあれば、勤務時間や休日の条件も求人によって異なります。「カスタマーサクセスだから」と判断せず、実際の求人で確認しましょう。

ただし、「人と関わるのが好き」だけでできる仕事ではない

カスタマーサクセスでは、「お客様に喜んでもらえた」だけで仕事が終わるわけではありません。

サービスを使ってもらえているか。
お客様の課題は改善しているか。
契約を継続してもらえているか。
など、成果を数字でも確認することがあります。

さらに、サービスについて学ぶ、法人のお客様とやり取りする、複数のお客様を担当する、利用状況から改善策を考える、営業や開発など別部門と連携する、といった仕事もあります。そのため、「営業の数字が嫌だからカスタマーサクセス」「接客経験があるから、そのままできそう」と考えるのは少し違います。

接客経験を活かせる部分がある一方で、新しく身につける必要があることもある仕事です。

求人で知らない言葉が出てきても、まず意味を知ればいい

カスタマーサクセスの求人を見ると、接客ではあまり使わなかった言葉が出てくることがあります。最初は、普通の言葉に置き換えてみましょう。

求人で見る言葉
まずはこう理解すればOK
SaaS(サース)
Software as a Service
インターネットを通じて利用するソフトウェアやサービス
BtoB(ビートゥービー)
Business to Business
企業が、企業に商品やサービスを提供するビジネス
BtoC(ビートゥーシー)
Business to Consumer
企業が、個人のお客様に商品やサービスを提供するビジネス
オンボーディング
Onboarding
お客様がサービスを使い始められるようにする導入支援
KPI(ケーピーアイ)
Key Performance Indicator
仕事の成果を見るための重要な数字
解約率・チャーン
Churn Rate
サービスの利用をやめたお客様の割合
アップセル
Upsell
より上位の商品・プランを提案すること
クロスセル
Cross-sell
関連する別の商品・サービスを提案すること

知らない言葉がある=自分にはできない、ではありません。一方で、言葉の意味が分かった=すぐにできる、でもありません。求人票の言葉を理解したうえで、自分の経験と照らし合わせてみることが大切です。

カスタマーサクセスに向いているのはどんな人?

仕事内容から考えると、次のような人はカスタマーサクセスとの接点を見つけやすいでしょう。

☑ 人の話を聞くことが好き
☑ 売って終わりではなく、その後まで関わりたい
☑ 相手に合わせて説明や提案を考えられる
☑ 新しい商品やサービスを学ぶことに抵抗がない
☑ 人との関係だけでなく、成果にも向き合える
すべてに当てはまる必要はありません。

接客経験ですでに身につけているものもあれば、ITサービスの知識、法人対応、数字を使った改善など、新しく身につける必要があるものもあるでしょう。「できる・できない」ではなく、「持っているもの」と「これから身につけるもの」に分けて考える。未経験の仕事を見るときには、この視点が大切です。

未経験から求人を見るなら、ここを確認しよう

同じ「カスタマーサクセス」という名前でも、会社によって仕事内容はかなり違います。求人を見るときは、「未経験歓迎」だけではなく、次の点も確認してみましょう。

☑ 誰を支援するのか
個人のお客様か、企業のお客様か。

☑ 何を扱うのか
どんな商品・サービスなのか。

☑ 契約後のどこまで担当するのか
導入だけか、継続的な活用支援や契約更新、追加提案まで行うのか。

☑ 何を成果としているのか
利用状況、継続利用、売上など、何を重視しているのか。

☑ どんな経験が必要なのか
接客・販売経験から応募できるのか、営業やIT業界の経験が必要なのか。

☑ どんな働き方なのか
休日、勤務時間、フレックス、リモートなど。

職種名だけで、自分に合う・合わないを決めないこと。仕事内容まで見て初めて、自分の経験との接点が見えてきます。

「接客が好き」なら、接客だけに絞らなくてもいい

最後に、この記事の最初の問いに戻ります。あなたが接客の仕事で、残したいものは何でしょうか。
人と話すこと。
相手の話を聞くこと。
誰かの役に立つこと。
提案すること。
相手の変化を見届けること。

では、変えたいものは何でしょうか。
休日。
働く時間。
働く場所。
身につけられるスキル。
この先のキャリア。

「接客が好き」だからといって、接客という職種をずっと続けなければならないわけではありません。これまでの経験を分解してみると、別の仕事にも持っていけるものが見つかることがあります。

カスタマーサクセスも、その選択肢の一つです。もちろん、すべての接客経験者に向いている仕事ではありません。でも、「今の仕事は変えたい。でも、今の仕事で好きだったものまで失いたくない」と思っているなら、一度知っておいてもいい仕事です。

接客経験を、次のキャリアにどう活かせるか整理してみませんか?

「今の働き方は変えたい。でも、自分に何ができるのか分からない」そんな段階でも大丈夫です。

PF+Agentでは、今の職種だけではなく、これまでの仕事で身につけてきた経験や、大切にしたい働き方を整理しながら、次のキャリアを一緒に考えます。

転職すると決めていなくても構いません。自分の経験が、どんな仕事につながる可能性があるのか。まずはそこから整理してみませんか?

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